O vita misero longa, felici brevis! (3)

(続き)

ひぐらしの<font color="#ff0000">な</font>く頃に(アニメ版)。
この作品については原作未プレイかつ原作情報も皆無。
てっきり1クール作品だと思い込んでいたのですが
まだ全く終わりそうにないところを見ると2クール作品だった模様。
そういうこともあって作品内容はまだ意味不明なのですが
この作品で面白いなぁと思っているのは構成(見せ方)です。

この作品はおそらくですけど、ゲーム的見せ方を
アニメで表現することに挑戦しているんじゃないのかなぁ。
ゲームに存在する「やり直し」という機能は
漫画・小説等では表現が難しい、
ゲームならではの演出方法を生み出しました。
ゲームオーバー・バッドエンド等を経て「やり直す」という作業は
完全なるリセットではないのです。
ゲームとしてはそこで終了であっても
プレイヤーにはそこまでの情報が蓄積されるからです。

シナリオ系ゲームについてはこれが逆に厄介なところでもあります。
バッドエンドもしくはあるシナリオでプレイヤーが獲得した情報が
別シナリオ中に矛盾してはいけませんし、
またネタがばれて別シナリオがつまらなくなってもダメと、
物語全体を矛盾なく、かつ魅せるシナリオとして
表現するのは大変なわけです。
しかし、このやり直しで少しずつ物語の全貌が見えていくところに
小説等では味わえない面白さがあるわけです。

ところが、ゲームをアニメ化する場合は
このやり直しによる情報の蓄積が許されないため、
ゲームの内容を1本道のシナリオとして再構築する必要があります。
そして、内容云々以前にまずこの段階で
アニメ制作者側の技量の差がはっきり現れがちです。
アニメ版AIRは映像・演出の素晴らしさもさることながら
冗長で複雑の構造だった原作を
アニメとしてコンパクトに再構築したことこそが
一番すごいことだと僕は思っています。
(いや、まだ全部見てませんけど^^;)

話を戻すと、この『ひぐらしのなく頃に』は
従来のゲームのアニメ化のように
一本道の話として再構築されているのではなくて
バッドエンドを続けつつ
視聴者には核となる情報が少しずつ与えられて
その情報を前提に次のエピソードが展開されるという感じで、
これはまさしくゲーム的見せ方そのものなんですよ。
今後この作品がどのように収束していくのかが楽しみです。
この作品がうまくいけば
あのEver17のアニメ化もできるかもしれませんね・・・。