赤誠(2)

(続き)

To Heart R
視点が中心(浩之&あかり)に戻ってきた辺りから
急につまらなくなりました。
なんでやねん?(笑)
この作品は最初からオーソドックスな流れで
途中まではその見せ方がうまかったのですが、
ここ最近(少なくともここまで)は
単に無難に展開しているだけみたいな感じがします。

まだラスト1話が残っているのですが、
話の大筋をつかみましたので
それを大まかに整理しておきます。
たぶん全く問題ないと思いますが、
完全にネタばれしてますので一応ご注意を。

◇出発点◇
・浩之
あかりの存在が前提。
彼のあらゆる行動は全てこの前提に基づいて成立している。

・あかり
自分が浩之にとって特別な存在であることが前提。
この前提が浩之への無限の愛の供給源である。

これまでの2人の関係はこの前提の下で永久機関のごとく
完全に完結していたわけです。
そして、もし2人が完全に精神を共有しているのなら
この関係は永遠に続くことも可能だったのかもしれません。
しかし、やはりそれぞれが異なる精神を持っているため、
なかなかそうはいきません。
一見非常に安定したこの関係も、実際のところは
どこかが破綻すれば瓦解する可能性がある
という極めてもろい関係、
敢えて言うなら単なる「都合のいい関係」であるわけです。

というわけで、この前提が徐々に崩れていく中で
2人の新たな関係がどのように築かれていくのか
というのがこの作品の大筋なわけです。

◇崩壊◇
・浩之
マルチのために何かをすることにやりがいを感じ、
周囲の人間の生き様にも触発され、
そこに人生の目標を見出す。
ただし、これらは全てあかりという存在を前提にしている。
 ↓
・あかり
琴音に告白される浩之を偶然発見したこと、
浩之が突然勝手に将来の進路を決定したことなどによって
自分の知らない他者としての浩之という存在に気付く。
誰よりも浩之を理解していると思い込んでいた彼女は
自分が浩之のとって特別な存在であるという想いが揺らぎ
浩之への無条件の愛を提供できなくなる。
 ↓
・浩之
あかりが常にそばにいるという日常(つまり、あかりからの無条件の愛)
が失われ、彼の行動の前提が崩壊する。
あかりとの元の関係を取り戻そうとするが、
あかりの浩之への思いの前提が揺らいでしまった以上
以前のような無条件の愛は成立し得ない。

(続く)