Absicht f. (intention) (3)

(続き)

おそらく昔はこのような状態ではなかったはずです。
分からないことだらけだったはずの時代では
自分のダビ知識に対して自信を持っている人が少なく、
情報を発信する側、受け取る側のいずれも(おそらく特に前者が)
その扱いに慎重になっていたと思われるからです。

したがって、この状況は
ユーザーレベルの向上の表れであるわけなのですが、
同時に、その主観的な情報の発信者の判断が
間違えていれば全てが瓦解してしまう
という危険な状況でもあるわけです。

前提条件が変化している場合、
つまりダビ界で共有されている知識が
通用しなくなっている場合は
もはや壊滅になるわけですし、
そういった極端な場合以外にも問題は起こりえます。

実はかつて64でこの状況によるまさに典型的な問題がありました。
SP表のパスの一部が一回りずれていたことをきっかけとした
連鎖的なSPの測定ミスです。
しかし、この問題は
BCパスという客観的なデータに基づく
主観的な判断のミスが原因であったため、
その客観的なデータであるBCパスから分析し直せば
あっさり解決するものでした。

ある人が自らの主観的な判断をそのまま伝えると
上に書いたように連鎖的に
間違いが広まっていく可能性があるわけですが、
そういう考えに至る前提となった客観的な情報を伝えていれば
各自がその客観的な情報に基づいて
さらに別の主観的な判断を出すはずですから、
そういった連鎖的な崩壊が起こりにくいわけです。
つまり、客観的な情報を伴う
主観的な情報であれば問題が発生しにくい、
仮に問題が発生しても対処しやすいということです。

最近の僕の活動はこういったことを念頭においてのものでした。
ということで、えむぴーさんが日記にて
僕の意図を的確に説明してくださったので、
僕も自分なりの考えをまとめてみました。

わざわざ日記に取り上げていただいて
改めてありがとうございました。>えむぴーさん

(続く)