Absicht f. (intention) (2)

(続き)

ダビ界もやはり
一般人には理解できない情報が
飛び交っているような世界です。
「安定Aはやはりきつい」
「この配合はニトロが低いからダメだ」
などは
ダビスタに関する様々な知識が共有されていなければ
絶対に伝わらない情報でしょう。

また、SF時代→PS時代→・・・
と理論が複雑になるにつれて
より専門化された世界へ
つまり、より多くの知識の共有が必要とされる世界へと
ダビ界は変化してきたものと思われます。
実際にPS97版中期で一旦ダビから離れて64で復帰した僕は
初めて聞く言葉のオンパレードに
64復帰当初はかなり当惑したものです。

つまり、現在のダビ界は
ダビスタに関する凄まじい量の知識の共有が
前提とされた世界であるわけです。

その結果、現ダビ界は
主観的な情報のみが飛び交いがちという状況にあります。
その仕組みは次のような感じです。

冒頭に例としてあげた日本人の思考(以心伝心)と同様に、
そして、何より我々がその日本人でもあるために、
また、自分のダビ知識に自信を持っているがゆえに
やはりダビ界の住民は、何らかの主観的な情報を
その前提となっているような情報はほぼ省略して
発信してしまいがちです。
そんな当たり前なことは言うまでもないだろうとか
言わぬが花といった感じで。

一方、その情報を受け取る側には次の2通りの場合が考えられます。
その情報の前提を共有している人と共有していない人です。
前者は情報の発信側と同じ前提を持っているわけですから
さも当たり前のごとくその情報を受け入れます。
後者の多くはダビに対する知識が欠けていると自覚している人です。
それゆえに、あの人が言っているんだから正しいだろう
という感じで、その情報をそのまま鵜呑みにしてしまいがちです。
64復帰当時の僕などがまさにそうでした。
結果的にそういった誰かの主観的な情報が
両者にすんなり受け入れられやすいのです。

そして、この構造においては
前提条件、つまりこれまで蓄積されたダビに関する知識は
基本的に自明のものとして扱われがちになるわけです。

(続く)