reiner Rubin (3)

(続き)

真紅。
一方、真紅視点での最終話もよくできているんですなぁ。
アリス(完璧)を目指し気高く戦い続ける真紅も
これまではただアリスになることだけにしか
自分の存在意義を見出していなかったわけで、
水銀燈に腕をとられ、自らの肉体が不完全になった瞬間、
アリスになれないと絶望します。

<i>もうアリスになる資格なんてないの</i>

<i>私は完璧を求められる人形(ドール)
誰もジャンクになった人形なんていらない</i>

でも、ジュンはそんな真紅の存在を認めます。

<i>君は僕にとってとても大切な存在だ</i>

これによって真紅は、
ただアリスを目指すという、自分に与えられた存在意義から解放され
自己を確立したんだと思うんですよ。
だからこそ、夢の中のジュンの家から敢えて外に出て、
腕がないままでも再び水銀燈と対峙しようとしたわけです。

<i>私は真紅 誇り高いローゼンメイデンの第5ドール
そして幸せなあなたのお人形</i>

笑顔でジュンに放ったこの言葉は
ただアリスを目指すだけの存在から
自律した「真紅」を確立したことを
表しているのだと思います。
そして、確かに真紅はこれから先も
アリスを目指していくことになるんでしょうけど、
それはただ与えられた役割としてではなく、
自分自身で選んだ道であるわけです。

水銀燈
彼女が象徴しているものって
かつてのジュンだと思うんですよ。
他の人形を見下しつつ、
自分自身が不完全であるところ、
そしてそれを認めようとせず
一人で戦い続けようとするところ。

だからこそ、自らの不完全さを認め
互いにそれを補い合った真紅とジュンに
作品の構造上彼女が負けてしまうのは当然なんでしょうけど、
やっぱりかわいそうでしたなぁ。

その他。
1クールという制約上当然といえば当然なんですけど
やっぱり他のキャラの描かれ方は中途半端だったかなぁ。
翠星石が最後の最後でジュンを「ニンゲン」ではなく
「ジュン」と呼ぶという印象深いシーンもあったんですけど、
あまりに唐突過ぎて無理やり入れたとしか思えませんでしたし・・・。

声優さんの演技はどれも上手でしたなぁ。
私的なお気に入りキャラは真紅かな。
天使な小生意気』で天使恵に惹かれたのと同じような感じ。

関西圏ではいつから始まるのか
まだよく分からないんですけど、
続編が本当に楽しみです。