reiner Rubin (1)

アニメの感想オンリー。
ローゼンメイデンがようやく終了。
いやはやよくできた作品でした。
途中からは録画していましたので
ところどころ見返しつつ真面目に感想を書いてみました。

以下完全ネタばれ感想になります。
まず問題ないとは思いますが一応ご注意を。
ちなみに原作の方は全く見たことがありませんので、
あくまでアニメ版に基づく感想です。

最終回直前までは

生きることは戦いである

ジュンは逃げている

ゆえにジュンは戦わなければならない

というまさにあちこちで粗製濫造されているような
論理の展開がこの作品の中核だと思っていました。
しかし、ジュン、そしてジュンが象徴しているであろう現実逃避者には
この論理展開では不十分である可能性が高いんですよ。
そもそもそういう人間の中には
生きることの意味を見出せていない人が多いわけであり、
ジュンもやはりそういう人間だと思われるからです。
そういう人間に、こういう考えを持ち出して
目的もよく分からないままにとにかく戦えというのでは
生き地獄を強要するに等しいわけです。

だからこそ、まず、なぜ戦わなければならないのか
という問題に答えを出してからでないと
この論理展開は強引じゃないのかなぁ・・・
と最終回直前までは思っていたんですよ。

が、最終回を見ると
実はそんなことはなく
めっちゃよくできた話やなぁ
と思わされました。

ジュン。
ジュンが登校拒否している原因は
究極的には次の二つだと思います。

・他人の自分に対する評価に縛られている
・そもそも世界に意味を見出せていない

彼は常に他者の自分に対する評価を気にしています。
そして、元々エリートであった彼は
他人のそういった自分に対する評価に酔っていました。
他人の評価を気にするばかりで
そこに真の自分の意思は存在していません。
(公式HPでも監督はジュンについて
「自分が作った分身に身を委ねることで快感を得ているのだろう」
と語っています。)

そんな他者からの評価の世界に生きている彼は
挫折したということで
人に馬鹿にされているという不安に駆られて、
以前までの自分に対する評価とのギャップに耐えられなかったわけです。

そして、元々自分の意思というものが存在していない彼は、
世界に意味を見出せず
ただただ生きているだけの存在へとなっていったわけです。

(続く)