nochmals u:berlegen (2)

(続き)

では、私はどこがすっきりしなかったのでしょうか。
いろいろ考えてみたのですが、
以下の3点に尽きると思います。

・演出
相良宗介の極端すぎる価値観(を感じさせてしまう表現)
相良宗介は最後まで自分の意思では動かなかった

一つ目は完全な個人的な感覚です。
背景の音楽は少なく、静寂をベースにした雰囲気を
制作者は意識していたんだと思います。
押井守作品も似たような雰囲気をベースにしていますから、
別にそういった雰囲気そのものを
私が受け付けないということはありません。
しかし、この作品の場合は
その雰囲気にぎこちなさを感じてしまったんです。
かたい、固い、堅い、硬い、カタい、とにかくそんなイメージ。
おかげで本来笑うべきセリフ・状況も
浮いているようにしか感じられないなど、
最後までこの作品になじめず
一歩距離をおいて見てしまった気がします。
ただし、ネット上でいくつか見た他の方の感想を見る限り
こういった感覚を抱いていたのは私だけみたいですから、
単に私がずれているだけみたいです(笑)。

二つ目と三つ目について語る前に
その準備としてまず大まかにこの作品の内容をまとめます。
ネタばれですので一応ご注意を。

(続く)