die Zauberin (2)

(続き)

アイシア
作品の構造としては言うまでもなくアイシアの成長物語です。
アイシアの基本的な思考構造は
想いは報われてしかるべきという発想です。
アイシアが、
魔法で世界中を旅して多くの人を幸せにしようとした祖母が
それに見合うだけの報いを得られていない
と思っているところなどは
このアイシア的発想の典型的な現れでしょう。

このアイシアの発想の問題は
想いと報われの順序が逆転してしまっているところにあります。
まず純粋な想いが生まれて
その後その想いに対して見返りを求めることもある
というのが本来の順番であるはずですが、
アイシアの発想では見返りを期待しての想いしか生まれず、
そんな想いは単なるエゴでしかないわけです。

そもそもアイシアの祖母は見返りを求めて
魔法で人々を幸せにしようとしていたのではなく
純粋に人々の幸せを願って
魔法を使っていたわけであり、
アイシアはそのことを理解していないのです。

アイシアは自らの純粋な発想を信じて
全ての想いが報われるべきという発想を実現した世界を
魔法で作り上げ、
その世界が破綻することで
初めて自分の考え方の誤りに気付き、
そのとき初めてアイシア
見返りを求めない想いを魔法に託すのです。
そして、ようやく祖母の考えを理解するのです。

純一&音夢
バカ兄妹。
以上。

さくら。
前作では別に好きなキャラでもなんでもなかったのですが、
今作のキャラがろくでなしばっかりだったために
相対的に自分の中で彼女の地位が上がり、
なんか知らん間にお気に入りに。
アイシアを説教する嫌な性格の人の役を強制される
バカ兄妹にはイチャイチャを見せつけられる
何より満を持して登場した割にはほとんど出番がない(笑)
とかわいそうな役回り。
上述した後者的展開ならかなり重要な役になって
2作連続事実上の主役をゲットできたかもしれないのに(笑)。

ことり。
今作の登場時点での役回りから
純一を音夢と取り合うのかと思いきや
全く相手にされず、かませ犬に。
さらにアイシアの魔法の世界でも
純一に全く相手にされずに再びかませ犬に。
彼女にはミス若島津の称号を与えましょう。

「私はバカ妹のかませ犬じゃない!!」