langatmig (2)

(続き)

この辺の内容を凝縮した
ラスト付近の主人公の「放送」は、
シナリオライターである田中ロミオ氏から
我々へのあからさまなメッセージでもあり、
そして、この田中ロミオ氏の試み自体が
制作者とプレーヤーの間に現実的に存在する
物理的精神的距離を超え
プレーヤーにメッセージを届けようとする
作品テーマに対する現実的な挑戦でもあるわけですから、
構造的にもホントによく作られてるなぁ
と感心しました。

しかし、実は
この作品の内容に則ったいい方をすれば
僕のCHANNELはこの作品のCHANNELと
最後まで完全にはCROSSしなかったんですよね。
周波数が微妙にずれていても
電波は受信できるように、
僕のCHANNELは微妙にずれていたんですが、
それでもこの作品の電波はものすごく芯の強いものでしたから
作品の主張を概念としては捉えることはできました。
しかし、やはり微妙にずれたCHANNELでは
その主張を発せさせた制作者の想いが
僕の心には届かなかったんですよね。
ですから、最後の主人公の放送、
すなわち制作者側からのメッセージも
まさに概念としてしか伝わってこず、
最後まで制作者の想いを肌で感じることはできませんでした。

ということで、非常に完成度の高い
まとまった作品だったとは思いますが、
私的にはそれ以上のものまでは感じられませんでした。
とは言え、“CROSS CHANNEL”の不可能性への真っ向からの挑戦、
そのために恐ろしいほど精巧に作られた作品構成、
洗練された文章に加えて意外とエロイ内容(笑)、
これらを総合的に考えると
かなりすごい作品だったと思います。

・・・んー、でもやっぱり私的にはなんか物足りない。
おそらくCHANNELがCROSSすれば
ラストでちゃんと感動できたんだろうな・・・。
うーん、ダビスタしながらプレイという
僕としては非常に珍しい2作品同時並行
というのがまずかったんだろうか^^;
とは言え、『シンフォニック=レイン』みたいに
ダビスタを中断しようとも思わなかったのも事実ですしね。
やっぱりCHANNELがCROSSしなかったのか・・・。
僕はこう綺麗にまとまった作品よりも
どこか突き抜けた作品が好きみたい。
しかし、とにかくシナリオライター田中ロミオって人が
とんでもない人だってことだけは分かりました。
なんじゃこいつは、天才か!?(笑)

(続く)