die Flaute (3)

(続き)

そして、このまさしく夢のような出来事は
みちるにとっては最後の幸せな思い出であると同時に、
美凪にとっては新たな思い出の一つとなるのです。
ここでは先ほどは逃避場所として描かれていた
思い出という夢の持つ美しさが描かれているわけです。

<i>夢から醒めても思い出は残るから</i>
<i>みちるとの思い出をずっと楽しい思い出にしてよ</i>

ちなみに、この最後の別れで美凪がみちるから
「最後まで笑っていて」と言われて
「笑ってサヨナラなんて言えない」
と返すのは美凪の弱さを表しているのではなくて
美凪が自分の本音を素直に言えるようになった
ということでしょう。

<i>飛べない翼にも意味はあるさ
それが空を飛んでいた日々の大切な思い出だからな</i>

ラストのこの往人のセリフは
飛べない翼=止まってしまった夢=思い出
ということでしょう。
さらによく考えるとこの美凪シナリオでの
「飛べない翼」というのは
4話の佳乃の母親の
「あなた(佳乃)には羽根はないから
そこ(地上)で幸せになりなさい」
からおそらくつながっているのかなぁ・・・。

まぁ、まとめてみると
最初は逃避場所として描かれていた過去の思い出・夢が
それぞれのキャラクターがそれと向き合うことによって
終盤ではそこが美しい思い出・新たな思い出へと変わっていくわけです。
簡潔に表現すると冒頭の「思い出の昇華」になるわけですが、
まぁ実質たった2話でよくここまで詰め込んだなぁと思います。
おかげで見る方は大変でしたけど(苦笑)。
なぜこの作品が1クールでD.C.とかが2クールなんだよ(泣)。

原作やったときは
美凪シナリオはあまり好きじゃなかったこともあって
結構曖昧なままでしたけど
今になってようやく骨格をつかめました^^;

うーん、しかしえらく時間が掛かってしまいました。
春休み最終日の明日(厳密な時間的には今日)までに
最終話までいけるかかなり怪しくなってきたぞ(笑)。