fortuna (5)

(続き)

以上のバランスの悪さゆえに、一見すると
ラクス・キラたちが議長を打ち倒すことによって
デスティニープランが単純に外的に阻止された印象が強く
その内的崩壊が見えにくくなってしまう
(最初から破綻しているようにしか見えない)わけです。

そして、もう一つこの作品が心に届きにくいのは
このデスティニープランの否定の先にあるものが
「なんだかなぁ」と感じてしまうところでしょう。
要するに現状肯定なわけで
キラたちの掲げた「戦い」とは
結局のところ混迷の世界でいたちゴッコ的争いを
繰り返していくことにほかならないと思うのですよ。

<i>いくら吹き飛ばされても、僕等はまた花を植えるよ。</i>

この混迷世界の強者であり、
とても吹き飛ばされることがなさそうなキラたちが
この「戦い」を掲げても全然説得力がないといいますか・・・。
要するに弱者の視点がすっぽり抜けてるんですよね。
次作か何かでこの弱者の視点が反映されて
キラの「覚悟」が問われる形になれば面白いんですけどね。

うん、でもなんだかんだで
本放送終了後1年以上経った今になって
これだけ長い感想を書く気力が出るわけですから
やっぱり僕はこの作品好きみたいです。
豊富なネタ、愉快なキャラクター、
グレイトディアッカなどなど
思い出深い作品です。
続編はやっぱりないのかなぁ・・・。