die Ruhe (2)

(続き)

(以下ネタバレ。まず問題ないと思いますけど一応ご注意を)

<i>…ボクのこと、忘れてください…
ボクなんて、最初からいなかったんだって…
そう…思ってください…</i>

この原作でも有名なあゆのセリフのあとに

<i>ダメだ その願いは聞けない
俺がお前を忘れられるわけないだろ</i>

とアニメ版の祐一は言ってしまったのですよ。
もちろん原作ではこんなセリフはありません。

原作のあゆのセリフについては
<a href="http://web.archive.org/web/20030711040412/www.erekiteru.com/gengoro/000021.html" target="_blank" >このサイト</a>の説明が分かりやすいのですけど
この原作での「忘れる」は両者にとって過酷な選択であると同時に
現実受容、夢の終わりへと繋がる前向きな意味があると思うのですよ。

なぜ京アニはここに↑の祐一のセリフをわざわざ挿入したのでしょうか?
この後のあゆのセリフが口パクだけで
表現されなかっただけに
最終回で原作とは全く違うオチが用意されてるのかもしれませんが、
アニメ版制作者側は
祐一を待つあゆの想いが具現化されたもの=あゆ
と解釈して、その幻のようなあゆの存在を肯定する意味合いとして
祐一にああ言わせたのかなぁ。
個人的にはあゆは
過去の祐一が現実ではなく幻を選択したことによって生み出された幻想に
実際のあゆの想いが乗り移った存在と考えた方が
しっくり来るんですけどね。
まぁこういうところがあやふや(世界観に穴が開いている例の一つ)
なのがこの作品の魅力の一つですけど。

(続く)